2013年1月19日

飲食店の常識、銀行の常識

今まであまり読んだことのない類いの本を、昨日図書館で物色してきた。

図書館の十進分類 336 (経営管理) から一冊、隣の 342 (財政史)から二冊。そして 673 (商業経営・商店) から二冊だ。

読み始めた一冊目は失敗に学ぶクレーム対処術。藤田田のもとで日本マクドナルドにおいてした仕事の話がメインで、著者はこれを含め外食産業に21年務めてきたという (「はじめに」p.7 )。

上掲書 p.93より

売上げにはふたつの売上げがあります。レジスターの記録と現金売上げです。レジスターの売上げ記録から打ち間違いと現金差を引くと、現金売上げとなります。ふつう、百貨店やスーパーに入るテナントの場合、レジスターの売上げと現金売上げは同じになるように調整します。しかし、マクドナルドの場合、間違いや盗難による現金差を容認しているので、普通は現金売上げを売上げとして申告するようにしていました。

(略)

私はまだ統括になり立てで、売上げは現金売上げしかないと錯覚していました。」

なんと。銀行員を両親にもっていたわたしには信じられないはなしだ。

銀行員は一円で支店のバックエンド全員が残業を続けるのが常識。

わたしの感覚は次のとおりだ。

帳簿と現金は合わせようとしなきゃ合わないものなのだよ。

足りなかったら責任者が埋めろというのは一見厳しいようだが、足りなければ埋めれば良いのだろうという道徳心の低下を招く。余っているときはポッケに入れてもいいよねとなる。行く先は売上げのごまかしだ。

だから最近のスーパーに導入されているような現金集計機がついて記録のとおりにしか入出金できないレジの導入が望ましい。

この本は 2004年9月の刊行。今でもマクドナルドのマニュアルはそうなっているのだろうか。だとしたら、どのように道徳心を保っているのか。

マクドナルドに勤務した経験のあるひとに訊いてみたいものだ。

追記

以上の感想を書いたあと、読み進むとすぐに以下の一文に出会ってほっとした。

p.95

本社にとって帰り経理部に相談しました。その答は「あ、わかりました。問題ありません (テナント入居規程のとおりにレジスターの売上げで計算します : 引用子註)」という拍子抜けのするものでした。

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