2013年3月5日

閑話(ウェブ小説)

昨11月あたりから、小説家になろうに掲載されたアマチュアの投稿を読むのが新たな趣味になっている。はじめのうちは無名の読者としてログインせずに訪れていて、ある日ログインアカウントを作ろうとして気づいたら、大学生の二十数年前に小説家になるつもりで作ったペンネームがすでにメールアドレスに紐付いていた(いつ登録していたのだろう)

しらない人が書いてる、作品以前のエッセイや詩を読むのが好きだ。が、そういう作風のかたはお気に入りにしても非公開に(なるべく、きづいたら、うっかりしていてお気に入り返しされたらあきらめてるけど)している。ひとに話すのは、すでに作品といえる、サイト内での人気も出ているものばかり。すると和風ファンタジーの{異世界・ゲーム}ものが多くなる。

もうすぐ書籍になるという告知をみたときに娘に教えたら面白がってくれたのがこの世界がゲームだと俺だけが知っている この著者の作品も完結した先行の 天啓的異世界転生譚を先日また読み返した。どちらも伏線の多い知的遊戯として素敵な作品だ。

週末に頭から読み返したし、また記憶の薄れた頃に読み返したくなりそうなのが 盾の勇者の成り上がり 。著者はプロトタイプだと謙遜しておられるが(じっさい、完結するまで構成について評価することはできないし、完結してから構成を見直したいのならば著者にとってはプロトタイプなのだろうが)はじめの事件からの顛末23ページ分だけで、すでに文学だと云いたい。

今回読み返していて、うっかり思ったもの。わかる、そういうときは本当に味覚がなくなるんだよな

わたしは今まで類似のショックで、食欲をなくしたことも、視覚がおかしくなったこともあるが、味覚はおかしくなったことはない、はずだ。 初読のとき、あまりに主人公に思い入れしすぎて、味覚がなくなったことがあるような気になってしまったらしい。

記憶すら改竄する描写を文学と呼ばずして、なにが文学だろう。

余談だが、主人公が立ち直る経緯は麻雀漫画屈指の(おっと、そのさきはネタバレにつき省略)リスキーエッジを思い出させる